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PCM Tokyoのブログです。日々の活動などをブログで紹介していきます。



PCM Tokyo | HOME >About us >PCM Tokyoブログ



2009-04-27
ザンビアでマジメにマネジメント(PCM手法の限界??)活動報告
私のかかわっているプロジェクト「PaViDIA(孤立地域参加型村落開発)プロジェクト」が、5月で終了します。
5月の終了後には、PaViDIAプロジェクトで見出された根本的な問題、「脆弱な農村農業普及体制」にメスをいれるプロジェクトが始まる予定です。
いま、その事前計画調査団に、参考人(??)として参加していまして、いまこのブログを北部(首都から800km北)で書いています。
いまさらですが、PCM-PDMの問題を感じています。それは・・・・・
(1) 問題解決型では解決しない問題
ザンビアには農業普及員が1500人ほど全国にちらばって配置されています。彼らは農民の中にいるフルタイムの政府職員です。農総開発を進めるためには、彼らが活発に農村・農民に働きかけることが必要ですが、多くは現場に出ていません。問題分析をしてみると、

村に行かない
  ↓
村に行く足がない
  ↓
バイクの燃料がない

というものです。
では、燃料をやるとどうか・・・・、それでもいかない。
ではもう一度、

村に行かない
  ↓
村に行くと腹が減る
  ↓
支払われるべき日当がでない。

というもの。
ては、日当をだしたらどうか・・・、それでもいかない。
では、さらにもう一度。

村に行かない
  ↓
そもそもやる気がない。
  ↓
給与が安い。住居が悪い

という不満材料がでてきます。
でも、それを解決したら本当に村にいくの?
まったく、ザンビア人というのは困る。。。。
と、いうのはある欧米系ドナーのコンサルタントのぼやきです。
で、実際に他の2つのドナーは、40億規模のプロジェクトを走らせる予定で、その内容は、研修などもありますが、バイクを供与したり、住居・オフィスを改築したりという、「問題の解決」をするものです。

私のプロジェクトでは、問題の解決はやめて、できるところからコツコツと改善を進めて来ました。
例えば、「褒める」ということを顕在化して、表彰制度を導入する。
上司からは、叱るよりも、まずは褒めるということを通じて、指導する。
日当がはらえないため、村からランチを無償で提供してもらう。。
などです。
でも、この方法を編み出すには、日々の試行錯誤がありました。
この「試行錯誤」をするということは、PCM計画手法のように、最初から問題と原因がかっちりと決まっているような分析では、なかなか出てきません。
また、JICAからも、PDMの活動で「試行錯誤」をするというと、なんだか何も考えていないととられるみたいで、最初から何をするのか明確にしないと、上部に説明できない、と言われています。

うーん、困った。

この「試行錯誤」、Plan-Do-Seeの細かいサイクルを回し続けながら、適切な解答を見つけ出すというサイクルは、現場経験から言うと、とても実践的な考え方なんですけどね。

もちろん、PCMの目的分析は問題分析だけに依存するものではないですし、またPDMはどんどん変えて良いというものですから、ユーザー側の問題ともいえるのですが、みなさんはどう考えますか?
 

(2) プロジェクトを通じた能力強化をどう表現するか?
もうひとつ、PDMでの問題。次のプロジェクトでは、5州(日本の国土とほぼ同じ)の地域を対象としながらも、北部州をモデル地域として、徹底的に体制の

改善を行っていきます。プロジェクト目標はそのモデル地域の改善になりますが、そのプロジェクトの経験を通じて、他の州でも同じことができるように、カウンターパートを育てるということが非常に重要です。
つまり、日本人だけががんばって、目標を達成しては、プロジェクトは失敗と考えられます。

この、2つの目的、プロジェクト目標の達成と、相手側人材の育成というものは、実は非常に難しい!!

理論的には、相手側の人材を育成しているからこそ、プロジェクトの目標が達成されるということになるので、問題ない、と現場を知らない人は考えるでしょう。
しかし、
・そもそも相手側の人材(カウンターパート)が質・量で不足していて、十分な時間がとれない。
・研修ではなく、実地を通じた活動にはそれなりの時間が必要であるが、カウンターパートは他の業務で忙しいので、時間がとれない。
・一方で、JICA側からは、目標の達成を要求される。
・また、正直、部分的には専門家が進めた方が早くまた質の高い結果になる。

そもそも、PDMには、プロジェクト目標の達成が尊重されているので(成果レベルの中間目標は、あくまでプロジェクト目標の達成のためにある)、カウンターパートを待っていて、目標は達成されませんでした、と説明して納得するJICA担当者はいないでしょう。

でも、本来は、この「待つ」という能力も必要なんだろうと思います。
この意図をPDMに表現しようとすると、なかなか難しい。
結局、人材の育成はプロジェクト目標から一段下の成果レベルになり、飛んで、上位目標に他の地域での展開というT字のプロジェクトができあがるというわけです。

ひとつの解決方法は、PDMの目標を2つ以上許して、プロジェクトの目標達成というラインと、人材育成というラインを二つ書くことをゆるすこと。
もうひとつの解決方法、PDMは不十分なものとあきらめて、プロジェクト・ドキュメントで、このプロジェクトに期待されるインパクトということで、明記するということ。

これもユーザー次第というところでしょうか。
みなさん、どう考えられますか?
Posted by miyoshi at 14:27:33 on 2009/04/27
[閲覧(808)][コメント(1)]

この記事へのコメント
どちらも、いろいろな人がPCM手法の欠点として言い続けて来たことのような気がしますし、私自身もそれがPCM手法という手法だけではカバーできない部分だろうと考えています。

まず(1)についてですが、直線的な論理というのは基本的に静的なものの見方ですから、その瞬間・その条件での分析が得意な反面、長期的・システム的解決には向かないということではないでしょうか。 それが目的志向ではなく問題解決となればなおさらです。 総合的な問題を総合的に解決するためには、解決策もシステム的にならざるを得ない、それを単刀直入な解決策、それも複合的ではなく直線的な解決策で解決しようとするのは、手法そのものではなく、使う側の道具の選び方・組み立て方が間違っているのではないかと感じています。

(2)に対するコメントも似たようなものになってしまいますが、手法もプロジェクトも道具にすぎません。 私はプロジェクトを「期間限定・地区限定」アプローチと呼んでいるのですが、その理由は(1)について書いたことと同じです。 結局は「期間限定・地区限定」で問題を解決しようとするのがプロジェクトだからです。

けれども開発そのもの、能力向上そのものは、基本的にプロジェクトを実施するためのメカニズム・組織・システムの話ですから、プロジェクトを超えています。 つまり、問われているのはプロジェクトを実施するメカニズム・組織・システムの「自立的発展」であって、決してプロジェクトそのものの目標達成ではないということです。 ということで、プロジェクトの評価をプロジェクト単体の目標達成度で評価するのはやめ、プロジェクトの水平的な展開(いかに地域全体・国全体に拡がるか)、垂直的な展開(いかに受益者のプロジェクト外の次の活動につながるか)で評価するようにしています。

以上のようなことを理解すれば、PCM手法に限らず、どのような手法を使っても話は同じではないかというのが正直なところです。 変わるべきなのは手法そのものではなく手法を使うシステムであり、システムを組み立てる思想であり、その思想を持つ私たちだと言うと、ジャンプし過ぎでしょうか…。

我田引水、厚顔無恥かも知れませんが、Appreciative Inquiryやシステム思考から勝間和代氏まで、根本的には同じことを異なる背景・異なる経験を元に、異なる言語で話しているのではないかと感じています。 その場限りの解決策ではなく、「いつでもどこでも」使える仕組み・システムで勝負しようということです。

そうそう、小さなプロジェクトばかり扱っているせいもあって、目的系図は作っても、PDMはもう10年作っていないことを申し添えておきます。
Responded by axbxcx at 12:18:27 on 2009/05/17 [編集]

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